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No.564 ブーランジェ鉱 Boulangerite:ブーランジェ鉱入り水晶 Romania





小さな白っぽい両剣状の水晶の内部や表面に灰色毛状のブーランジェ鉱 Boulangeriteの結晶が見られます。
ブーランジェ鉱は鉛とアンチモンの硫化鉱物、非常に細かい毛で、肉眼でぱっと見ただけでは灰色の汚れのように見えます、このように拡大して観察すると結構フサフサしたスチールウールのような結晶が観察できます。
ブーランジェ鉱が共成している事が特徴の標本ですが、水晶自体も面白い形をしており、両剣水晶が貫入しているのか4方向に成長しているのか十字になっているものや、コロンとした結晶が絡み合っていたりしてユニークな標本です。
ネットで見てみるとブーランジェ鉱ではなく鉛、鉄、アンチモンの硫化鉱物、毛鉱 Jamesoniteであるとするサイトもありますが、ここでは購入時のラベルに従います。
ブーランジェ鉱や毛鉱、ジンケン鉱などはどれも毛状になることがあり概観では見分けが付かないのですがまとめてplumositeと呼ばれています。
No.563 鉄ばん柘榴石 Almandine China

中国 新彊ウイグル自治区 伊犁哈薩克自治州 阿勒泰地区産。
赤褐色で整った12面体のアルマンディンの結晶ですが、各面の角の部分に僅かに24面体の面が現れており集形結晶であることが分かります。
4cm程ある大粒の結晶で、ほぼ不透明ですがエッジや端の欠けた部分では透明感が若干有ります。
少し母岩が残っていおり、他産地の鉄ばん柘榴石にもよく見られる黒雲母片岩中に含まれて産出するようです。
新疆は軟玉の産地というイメージしか昔はありませんでしたが近年、新たに宝石系の鉱物などが流通してきていますし、今後も新たな鉱物の産地として期待できるエリアかと思います。
No.562 スコレス沸石 Scolecite India

無色透明の板柱状のスコレス沸石の結晶が束ねたように集まっています。
世界全体で見ればスコレス沸石の標本としてこの標本は十分に立派な標本なのですが、インド産と限っていえばこの標本は可もなく不可もない標本になってしまいます。デカン高原の玄武岩地帯は本当に沸石族の産地として奇跡的な産地で、他の国ではありえないような立派な標本を多産します。
この標本はゴージャスな感じは無いのですが1本1本の結晶がしっかりした板状をしており、先端も剣のとうな尖がり型の理想的な結晶図に近い形をしています。
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No.560 ローズ石 Roselite Morocco


深いワインレッドの細かなローズ石の結晶が母岩に張り付くように結晶しています。
カルシウムとコバルト、マグネシウム、水を含む砒酸塩鉱物で、同じ産地で同じ概観、同じローズ石グループのウェンドウィルソン石 Wendwilsoniteという鉱物が産出しますがローズ石のコバルトよりもマグネシウムが多いだけの鉱物で分析しないと区別ができないらしく、混同されていることも多いそうです。
写真栄えしない標本ですが、立派な標本ではもっと綺麗な鉱物なのです、ただ大きな結晶は採れないようで、この標本も1つ1つの結晶は1mm程度です。
No.559 アフガン石 Afghanite Afghanistan


ブラックライト照射時

ラピスラズリと同じ産地から産出した白い大理石の母岩中に埋もれる淡い青色のアフガン石の6角柱状結晶です。
結晶は色むらがあり、青味の強い部分もあれば、若干緑味を帯びたような色みの部分もあります。
結晶の芯の部分と外側でも色が違い、端の破断している結晶を見ると中心に緑っぽい色、それを囲む白っぽい部分、表面の淡い青と同心状に分かれています。
母岩部分には結晶を示していませんが濃い目のやや暗い青色のアフガン石が斑になって含まれています、細かな黄鉄鉱 Pyriteの結晶も点々と含まれています。
アフガン石はカンクリン石 Cancriniteグループに属する珪酸塩鉱物で、色の濃い不透明の物はラピスラズリに似ています。
組成も似ており、青い発色はラピスと同じく硫黄によるものだと考えられています。色が濃くてラピスに似ることがありますが、結晶していれば、アフガン石は錐面のある6角柱状の結晶を作り大抵若干透明感が有ります、ラピス(青金石/Lazurite)の結晶は12面体で、透明なものも有るらしいですが基本的に不透明です。
アフガン石の表面をラピスが覆っていたり、インクルージョンとして内部に点々と含まれていることもあり、たまにネットでルースが売られています。
またアフガン石はブラックライトでオレンジ色に蛍光します。
名前はもちろん原産地のアフガニスタンに由来しています。
No.556 リチア雲母 Lepidolite Brazil



裏側。表面は細い結晶の集合になっていますが、裏は大きな1つの結晶のようになっています。

淡い黄褐色のリチア雲母の結晶です。
菱形柱状結晶の集まりで、先端の菱形で光っている部分は劈開面で、大小の沢山の菱形が階段のように並びきらりと反射する姿が魅力的です。
この雲母もNo.552の白雲母同様、おそらく同じと思われる標本がリチア雲母とされていたり白雲母とされていたり、ハッキリとしません。
裏側の大きな劈開面を見ると1つの大きな結晶のようになっており、同心状にグレーっぽい色から黄褐色に唐突に色が変わっています、この内外で組成(白雲母かリチア雲母か)が違うのかもしれません。
No.555 藍銅鉱 Azurite:孔雀石上の藍銅鉱 Morocco


緑色の孔雀石 Malachiteに埋もれるように青いゴロンとした藍銅鉱が結晶しています。
孔雀石のほうは何状と比喩し難い形状ですが、藍銅鉱は表面が鱗のような結晶で骸晶のようなものなのかも知れません。
藍銅鉱も孔雀石もどちらも炭酸銅の鉱物ですが、結晶構造が異なります。藍銅鉱は比較的不安定な物質で、藍銅鉱としてできたものが孔雀石に変化してしまうことも多く、藍銅鉱の結晶表面が一部孔雀石になっているような標本もよく見ることがありますが、この標本の場合、一部が変化したと言うより、ハッキリ区切ったように分かれてできているように見えます。
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No.554 異極鉱 Hemimorphite Mexico




赤茶色の褐鉄鉱上に無色透明板状の異極鉱が、放射状に集まって結晶しています。
かなり繊細な結晶なので、脆く、破損部分も目立つのが残念です。
放射状の集まりは、3次元的な物ではなく2次元的グルリ1周な放射状で板を立てて束ねたような姿が特徴的です。
同じメキシコの異極鉱でも、結晶の形や集まり方で違う雰囲気の標本になり、色々集めると面白いと思います。
とはいっても産出は比較にならないくらい稀ですが最近は雲南省の水色腎臓状のものなど、名前はよく耳にするようになってきました。
もう10年くらい売れずに残っていたのではないかという位、埃を被って、ラベルも変色した状態で売られていました、長い年月人が手に取ったり、ぶつかったりして徐々に破損していったのかと思うと、さぞ、最初は綺麗な標本だったのではないかと思うのです。
No.553 石英 Quartz:緑水晶 Russia

深い緑色の灰鉄輝石

灰鉄輝石 Hedenbergiteの微細な結晶を多量に含んだ暗い緑色の水晶が母岩から生えるように結晶しています。
水晶の柱面は細かな結晶面で覆いつくされ、母岩の雰囲気もあいまってとても力強く渋い標本です。
母岩は褐色12面体の鉄ばん柘榴石 Almandineの結晶と暗緑色の灰鉄輝石の針状結晶で覆われています。
海外ではこの暗い緑の水晶のことをプレーズ Praseと呼んでいるようです。プレーズと言えば、明るいアップルグリーンの玉髄、クリソプレーズのもっと暗い色のものをプレーズと呼ぶと海外が発行元の鉱物図鑑によく載っています。
日本でプレーズで売られているような標本を見たことがありませんが、てっきり暗緑色の玉髄につけられた名前だとばかり思っていましたが、玉髄に限った名前ではなく水晶でもそのように呼ぶみたいです。
MindatでPraseについて調べると元々は(ニラのような)緑色の珪岩 Quartziteを指しており、その後ジャスパーなど、同様の色目の石材に対して使われたそうです。現在は外観や、発色の要因に関わらず緑色の石英をプレーズと呼んでいるそうです。
No.552 白雲母 Muscovite:白雲母と水晶 Brazil



黄色い白雲母 Muscoviteの結晶を伴う両剣の水晶です。
水晶の表面はやや擦りガラス状のザラザラした質感で半透明な感じになっており、白雲母は小さな半透明結晶の集まりでできていますが、バラバラの方向を向いて集まって板のような薄い状態になっています。
この黄色い雲母と同じと思われる標本が時々、というか結構頻繁にリチア雲母 Lepidolite(リチウムが主成分の雲母、厳密にはPolylithioniteとされています)とされています、リチア雲母といえば紫やピンク色系のイメージがあり、実際ブラジル以外の産地の物も検索しても殆どピンク系です。白雲母や黒雲母などはその色が典型的な標本であることから付けられた名前で、実際には白や黒以外のものも産出します。
なのでリチア雲母にもピンク系以外の色のものがあってもおかしくないのとは思うのですが、想定されない黄色い雲母にあえてリチア雲母と付けられていると言うことは、実際に分析して導き出されたものと思われます、逆に黄色い白雲母は割りと多いようで、星の形をしたスターマイカなども黄色い白雲母ですから、これも白雲母であろうと考えられたのか、分析されて白雲母とされたのか、リチウムを含む白雲母なのか。
分析もできないのでここでは、ラベルに従い白雲母にしています。
No.551 石英 Quartz:オーシャンジャスパー Nadagascar

緑泥石の内包物で緑色に染まった細かな水晶で覆われた晶洞部分かと思われる窪みごとタンブル研磨しているオーシャンジャスパーです。
モスグリーンとベージュの縞、白のコントラストの美しい標本です。
オーシャンジャスパーは、通常、模様を美しく見せるために板状に切断されて研磨されたものか、普通の丸いタンブルにされたものが多いのですが晶洞部分ごと研磨されたこのような標本も面白いです。
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No.550 石英 Quartz Brazil

黒バックで、別アングル

白雲母に覆われた長石の母岩から伸びるカテドラル風のとてもシャープな水晶です、
ほんのり褐色を帯びています。シトリンとして売られていましたがどれだけ大目に見てもシトリンとは呼びかねる位淡い色ですし、シトリンというよりも、色の薄いスモーキークォーツだと思われます。
水晶の標本は大抵母岩から分離したものや、水晶のみのクラスターであったりで、このようないかにも母岩からはえた感じの標本は意外と稀なのです。
がっしりした母岩からはえるクリアな結晶は、水晶に限らずとても迫力が有ります。
鉱物標本は分離結晶よりも母岩付きの方が評価が高いと言われます。分離結晶も無駄を省いたシンプルな魅力があると思うのですが、この標本を見るとやはり母岩付き標本の魅力を改めて感じてしまいます、ただし、どうしても全体が大きくなってしまうので、場所を取ります。
No.549 ルチル Rutile Brazil



赤褐色で透明なルチルの双晶で、セミメタリックな光沢があります。
柱状の結晶が120°の角度で接合しているのが分かります。
ルチルは金紅石という和名もあるチタンの酸化鉱物で、双晶することが多く、60°のV字型の双晶や、120°で6個連続して双晶し六角の輪になる輪座双晶(完全なものは稀です)などが知られています。
針状の微細なルチルが60°で3連、*状に双晶したものが網目のように集まってルビーの結晶中に入っていると、研磨したときに*状の繊維光、つまりスタールビーになります。
ルチルと言えば、金色の針状のものをイメージしがちですが、ある手度の大きさの単結晶はこのような赤味のある結晶になります、しかし、この標本の一部もよく見ると金色で繊維質な感じになっています。
このような褐色の色は、不純物の鉄等によるもので、人工的に合成された純粋に近い結晶は無色です。合成された無色透明なルチルは光の分散などが非常に強いため、ダイアモンドのイミテーションとしてカットされることも有ります。
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No.548 藍晶石 Kyanite Russia


黒雲母片岩中に含まれる藍色板状の藍晶石の結晶です。
白い部分は斜長石、黒い鉱物は黒雲母 Biotite、暗いピンク色の粒状のものは鉄ばん石榴石 Almandineの結晶です。
藍晶石は、ブラジル産の彩度の高い青色ではなく、少し沈んだ冷たい青色をしています。
この産地では宝石質ではないですがルビーも同じ産状で産出します(No.253)。
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No.547 辰砂 Cinnabar China


中国 湖南省 湘西土家族苗族自治州 鳳凰県産。
白色の苦灰石 Dolomiteの上に成長した6角板状のメタリックでシャープな辰砂の結晶で、光に透かすと赤色透明なのが分かります。
条線のないカットされたような結晶です。
辰砂は大昔から赤色の顔料にも使われていた鉱物で、破断した結晶や跡を見ると、ハッキリした赤色であることが分かります。ただ水銀の硫化鉱物なので、あまり体に優しい材料ではありません。
食べ物でも何でもですが、天然、自然の材料を何でもかんでも体に良いとか、質が良いとか謳われている事が多いですが、正反対である物も多いです。例えば植物であれば、程度の問題ですが農薬を使っていないと、本来身を守る為の毒を沢山発生させるそうです。鉱物も合成した方がはるかに純度が高いものが作れます。
No.545 モリブデン鉛鉱 Wulfenite U.S.A


方解石らしき結晶がくっ付いています。


四角い板状、オレンジっぽい赤色をしたモリブデン鉛鉱の結晶です。
結晶の先端には無色透明の方解石 Calciteと思われる結晶が沢山付着しています。
鉛のモリブデン酸塩鉱物で、見た目はかなり異なる印象がありますが灰重石 Scheeliteグループに分類されています。
灰重石はタングステン酸塩の鉱物で、ほかには鉛のモリブデン酸塩のパウエル石等がこのグループに含まれます。
モリブデン鉛鉱は水鉛鉛鉱という和名で呼ばれていたこともあります、モリブデンのことを和名で水鉛(モリブデンのドイツ語のWasserblei/水の鉛に由来) と呼んでいたためですが現在は殆ど使われません。
赤い発色は不純物のクロムによるもので、純粋なモリブデン鉛鉱は無色です。
レッドクラウド鉱山は銀や鉛、モリブデンなど様々な重金属を採掘していた鉱山で、美しい姿と色の結晶を産出するこの鉱物の有名産地ですがすでに閉山しています。
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No.544 菫青石 Cordierite:アイオライトサンストーン India

研磨されていないアイオライトサンストーン


多色性が有るので、角度によって透かした時に無色になります。

同じロットで買った、インクルージョンが無い普通のアイオライト


ビーズに加工されたもの

ラメっぽいインクルージョンが見られますが、銀色です。雲母?

すみれ色の菫青石中にカラフルな赤みを帯びたラメ状の鉱物が含まれています。
サンストーンと呼ばれる長石に赤鉄鉱の薄片が含まれているものと同じもので、菫青石の別名、アイオライト版のサンストーンなので単純にアイオライトサンストーンIolite Sunstoneと呼ばれています。最近はブラッドショットアイオライトというかっこよさげな名前でも流通しているようです。
因みに南インドではサンストーンと一緒にアイオライトも産出し、サンストーンに含まれているものと同じであれば赤鉄鉱 Hematiteの薄い結晶が結晶内に同じ方向を向いて並ぶように含まれ、それに光が干渉してカラフルな光がチラチラと現れます。
赤鉄鉱自体が赤い色をしているので、アイオライトも若干赤みを帯びたように見えます。
塊状の標本2個セットで普通の菫青石として売られていたのですが、一つは赤鉄鉱を含まない普通のアイオライトで透明度が高く、光に透かすと顕著な菫色~無色の2色性が観察できます。
もう一つを透明感悪いと思いながらまじまじと観察しているときにラメが発見されました。この標本では質が悪すぎてわかりにくいので後日、ルースを購入しました、ラメがはっきりと確認できます。
ビーズに加工されている物は、何となく手に取ったらキラキラしたインクルージョンが含まれていた物で、これは色や光かたからすると、赤鉄鉱ではなく雲母か何かかもしれません。
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No.542 石英 Quartz Brazil



無色透明のガッチリした感じのシャープな水晶です。なんて事の無い、悪くも無い程度の水晶なのですが、フェチズム的な言葉にできない魅力をこの水晶を見つけたときに感じたわけです。
柱面は1面置きに蝕像が現れており、もう1面づつは条線もほとんど無いフラットな面をしています。フラットなほうの面に1面結晶の上下方向に歪なラインが入っています。もしかすると双晶になっていて、その継ぎ目なのかもしれません。
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No.541 石膏 Gypsum:砂漠のバラ Mexico


砂漠のバラと呼ばれている砂漠で産出するボール状の石膏の結晶が無数に寄り集まった迫力のある標本です。
自分の住宅事情にあわない14cmくらいあるおおきな標本ですが安さと迫力にためらわず購入しましたが、案の定、場所をとって仕方がない上に、脆いので保管が難しいですが、平面的な集まりやギッチリ集合しているわけではないので立体的で奥行きがあって、置物にはもってこいです。
一つの塊がドンドン大きくなるわけでもなく、このように球が集まるようになったのは、材料は豊富な環境でわりと短時間にできたということなのでしょうか?
よくよく考えるとチワワ砂漠の砂漠のバラは一つの球が異常に大きい標本というものはあまり見たことが無い気がします。
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No.540 石英 Quartz:水晶と重晶石 China


中国 四川省 楽山市 峨辺イ族自治県 金口河産。
無色透明の綺麗な両剣水晶のクラスターの一部を乳白色の重晶石 Bariteの結晶が覆っています。
重晶石は大き目の結晶を見ると表面がザラザラした半透明の結晶で菱形板状になっています。
一見方解石の菱面体結晶(よくある劈開片と同じ形の結晶)の形に似ていますが、方解石の菱面体の結晶は、全ての面がひしゃげた四角形になるので、この標本のように長方形の面は現れません。
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No.539 ローザ石 Rosasite Morocco

中の緑がローザ石で、透明の部分は石膏です。



曲がった石膏の結晶

褐色の苦灰石 Dolomite上に緑色のローザ石が付き、さらにそれらをコーティングするように無色透明の石膏 Gypsumの結晶が覆っていおり、パッと見はゴツゴツした印象を受けますがよく見ると標本全体がツヤツヤした繊細な感じの標本になっています。
石膏の結晶を通して緑色の球体にも球体の集まりのようでもあるローザ石が見えますが、外観では何の鉱物なのかはまったくわかりません。
堀先生のところで分析したようで、ここではそれに準じて銅と亜鉛の炭酸塩鉱物のローザ石としていますが、お店や国内外のネットショップ等を見ていても同様の標本を銅の炭酸塩鉱物 孔雀石 Malachiteとしていたり、カルシウムと銅の硫酸塩 デビル石 Devillineとしたり、銅の硫酸塩鉱物 ブロシャン銅鉱 Brochaniteとしていたりバラバラです。
よく似ていても標本によって個体差があるのか、よほど分析が困難なのか、どれが正しいのかは不明です。
石膏の部分もかなり細かいですがよく見ると鱗のように結晶していたり、巻いたように曲がった結晶があったり面白い標本です。
苦灰石の部分も純粋な物ではなく鉄を含んでいるようで、含鉄苦灰石 Ferroan Dolomiteとされていたり、カルシウムと鉄の炭酸塩で苦灰石グループのアンケル石 Ankeriteとされていることもあります。
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No.538 石英 Quartz:ホランド鉱入り水晶 Madagascar


表面を研磨した標本。黒い放射状のホランダイトの結晶が内包されているのがよく分かります。

No.451のホランド鉱/Hollandite入りは水晶が両錐になっていることを重要視して、肝心のホランド鉱の入り具合や見え具合が今一つだったので、今回はそちらに重きを置いた標本を購入したものです。
ホランド鉱が、山入り水晶のように、結晶面と平行な感じに内部に並んでいるのがよく分かります。
見ての通り水晶の結晶面上にホランド鉱が成長し、その後再び水晶が成長した物と考えられます。
2個の標本を購入し、1点はそのままでも内部がはっきり見え、結晶の形も綺麗だったので、もう1点を1面だけ研磨して内部を見えやすくしてみました。放射状のホランド鉱がはっきりと観察できます。
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No.537 オパール Opal Australia


明るい茶色の母岩に脈状に含まれるブルー~グリーン系の綺麗な遊色を示すオパールです。
一見青色半透明に見えますがあくまで干渉による色であり、光に透かして見ると黄ばんだ半透明の塊で石そのものが青いわけではありません。
オーストラリアのオパール原石は、ライトニングリッヂ産のブラックオパール系のものは多く出回っている感じがしますが、意外と普通のオパールの鉱物標本らしい標本は少ない気がします。
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